新天皇即位に伴い10連休(4月27日~5月6日)となる今年のゴールデンウイーク(GW)がいよいよ始まる。例年になく多くの人が動きそうで、旅行市場は活況を呈しそうだ。
10連休は1948年の祝日法施行後で最長とされるだけに、思いもよらぬ事態が生じる可能性もある。病院は休みになるのか、ごみの収集は、保育園は開いているのか…心配はつきない。
政府は16日、10連休が国民生活に影響を及ぼさないようにするための対処方針を更新した。
この一環として、観光庁は18日、全国の宿泊施設の予約状況を都道府県別にホームページに掲載した。混雑緩和のため、空き室が多い地域に観光客を誘導するのが狙いだ。「連休前半は全国的に予約が取りにくくなっているものの、後半は比較的取りやすい状況」とか。
世の中は10連休だが、旅館・ホテル、観光施設などサービス業を中心に連休中に働く人たちは多い。職業柄仕方がないのだろうが、働き方改革が叫ばれる昨今でもある。残業に罰則付きの上限が設けられ、年5日の年次有給休暇が義務付けられている。連休に働いた分の代休が取れるよう、経営者側もしっかりとした対応が求められる。
今の時代、休みが取れない職場は若者に敬遠されがちだ。それでなくても人手不足の状態が続く観光業界である。
外国人労働者の受け入れを広げる改正出入国管理法が4月1日に施行され、資格試験や受け入れ準備が進んでいる。14日には宿泊業の試験も行われた。
外国人で人手不足をカバーするとはいえ、やはり非常手段であることは間違いない。長期的視点に立てば、日本人が主戦力となることが望ましい。将来を担う若者にそっぽを向かれないよう、労働環境の整備は欠かせない。
10連休に話を戻す。JTBによると、国内旅行人数は前年比1.1%増の2401万人、海外旅行人数は同6.9%増の66万2千人で、いずれも過去最高となる。めったにない連休だけに、海外に目を向ける人が多くなるのは仕方がない。
エースJTBの予約状況をみると、出発日は4月28~30日と4月中が多く、行先は北海道や沖縄などロングが人気。「また、皇位継承に関連して、伊勢・志摩を訪れるツアーや、赤ちゃんパンダ公開から人気が続く南紀、4月26日から開催される『瀬戸内国際芸術祭2019』にも注目が集まっている」という。
「観光地はどこも混雑している。疲れに行くようなもの」という冷めた見方もあるが、10連休の総決算がどうなるか、興味は尽きない。
10連休のGW、観光地は多くの人でにぎわいそうだ(GW期間中に行われる群馬のかんな鯉のぼり祭り)